畳の知識
畳と暮らし
日本の住宅とカビは、宿命的な関係にあります。それは高温多湿が日本の風土であるからです。古来、日本の住宅は生活や住まいを自然に合わせ、風通しの良い構造でした。しかし近年の住宅は、高気密・高断熱となり、人に快適な環境はカビ・ダニにも快適な環境となりました。カビは土や空気中に多く飛散し、空気のあるところにはカビが存在します。室内の温度が25度以上、相対湿度70%以上でカビの発生条件が整うことになります。特に梅雨時は湿度が高いので、カビの発生率も高くなります。なるべく部屋を閉め切らず換気し、まめに掃除をすることでカビの存在を忘れ、快適ライフを楽しめるはずです。
畳の特徴
畳表のイ草は、空気中の有害な二酸化炭素を吸収し、部屋の空気を浄化する働きがあります。畳床は湿気の多いときは湿気を吸収し、部屋が乾燥すると湿気を発散する(本畳床一畳、約500ccの吸収性があります)畳は室内の空気環境を整えてくれる、いわば天然のエアコンなのです。
畳のお手入れ
新畳・表替えをした新しい畳表には、白い粉のようなものが付いています。これはイ草の香りや艶を出すために、泥染めの加工がされているためです。ご使用になる前に、乾いたタオル、または堅く絞った雑巾(水が垂れ落ちる絞り方は絶対いけません)で畳の目に沿って丁寧に拭き取ってください。
また、畳の上にジュータンや上敷きなどを敷くことはお勧めできません。摩擦で畳表がすれたり、カビやダニの発生の原因になります。
日頃の清掃・手入れ
畳にとって埃は敵です。毎日とはいいませんが、こまめに掃除をすることが大切です。
掃除機をかける場合は、強くかけると畳表を痛めやすいので、畳の目に沿って軽く触れる感じでかけてください。
畳は湿気が禁物です。部屋の窓を開け、換気を良くすることも大切です。
通気が悪いと、カビ・ダニの発生の原因になります。2~3日晴天が続いたときに、窓を開け室内に風を入れましょう。
畳を長持ちさせるためにも、年2回程度「畳干し」をしたいものです。春と秋のよく晴れた日に、4~5時間ほど畳床の裏側をお日様に向け、よくたたいて埃を吐き出させましょう。(畳表を日光に当てると変色しますので注してください)
また、畳を干す場所がない場合は、単純に床から畳を離すだけでも効果があります。
ビール瓶や缶などを挟み風を通すだけでも十分です。
※ 畳は部屋に合わせて、一畳ずつ寸法が違います。入れ違うとしっくりいかなくなるので気をつけましょう。
●畳の表面に家具の跡が付いたら
濡らしたタオルを当ててから、スチームアイロンをかけると目立たなくなります。
●インクの汚れは
牛乳またはレモン汁で湿らせた後、塩酸ソーダを10倍に薄めた液で拭き取る。
●子供の落書きは
油性のものはマニキュアの除光液で拭き取る。
クレヨンはクレンザーをふりかけブラシでこすり、紙で拭き取る。
●石油・尿・醤油などをこぼしたら
小麦粉・ベビーパウダーなどで液体を吸収させて処理する。